1.ホッケー強豪チーム・強豪国はどこだ
ホッケーについては、次のように分けて調べてみた。
①高校男子 ②高校女子 ③大学男子 ④大学女子 ⑤全日本男子 ⑥全日本女子
⑦ 世界男子 ⑧世界女子 ⑨五輪男子 ⑩五輪女子
①高校男子
高校男子の強豪校は、1938年全国中等学校ホッケー選手権大会から全国高校ホッケー選手権大会2016年までの優勝・準優勝の結果から調べてみた。
1位は山陽、1940年代から60年代にかけて優勝10回・準優勝2回で、2位以下を大きく離している。2位から4位までは優勝4回だが、準優勝の差で、2位は天理、準優勝7回。3位は沼宮内、準優勝4回。4位は石動と岐阜西工が準優勝も2回で並ぶ。6位は横田、2000年代を中心に優勝5回、準優勝4回。7位は札幌商と名古屋商、優勝4回、準優勝4回。9位も岐阜総合と今市、優勝4回、準優勝1回。11位は建国、50年代に優勝4回。12位は伊吹と丹生、優勝・準優勝共に3回ずつ。14位は白根、優勝3回準優勝1回。強豪校の傾向をみると、九州を除く全国に広がり、地域性は感じられない。
②高校女子
高校女子は、1959年から開始された高校総体女子ホッケー大会の記録から調べてみた。1位は各務野、優勝24回、準優勝21回と圧倒的な強さである。2位は羽衣学園、優勝9回、準優勝5回。3位は伊吹、優勝6回、準優勝3回。以下4位丹生、5位石動、6位沼宮内、7位須知と続く。地域性として中部地方や近畿地方が強い。男女共にランクされたのが伊吹、丹生、沼宮内の3校である。
③大学男子
大学男子の強豪校は、1952年から始まった全日本学生ホッケー選手権大会の記録から調べてみた。
1位は天理大学、優勝29回と2位以下を大きく引き離し圧倒的な強さである。天理は高校男子も2位と健闘し、さらに大学はパワーアップした。2位は明治大学、50年代から60年代にかけて優勝12回、立派な成績である。3位は法政大学、優勝7回。4位は立命館大学、2000年代になって6回優勝。5位は東京農業大学、優勝5回。2010年代になって力をつけてきたのが6位山梨学院大学、優勝3回。以下7位早稲田、8位関大と続く。
④大学女子
大学女子の強豪も1979年から始まった全日本学生女子ホッケー選手権大会の記録から調べてみた。
1位は天理大学、優勝20回と男子と同様に圧倒的な強さでアベック1位となった。まさに大学ナンバーワンは天理と言える。2位は山梨学院大2000年以降に進出し7回優勝、最近では天理に代わる勢いである。3位は東海学院大学、旧名東海女子大学の時と合わせて優勝6回、2000年代以降に進出。同じように4位立命館も2000年代以降に優勝3回。長い間天理の独走が続いたが、2000年代は山梨学院、東海学院、立命館の3つ巴の様相である。
⑤全日本男子
全日本男子の強豪は、1923年から始まった全日本ホッケー選手権大会の記録から調べてきた。1位は大学男子に続いて天理大学、優勝は実に21回。2位以下を大きく離している。2位は、
3位は早稲田大学、20年代から60年代にかけ
て9回優勝。大学の部よりも上位に入った。4位は慶応大学、第1回大会の優勝を含め、戦前に8回優勝。大学の部では優勝はなかったが、全日本では上位に入った。5位は明治大学も戦前から60年代にかけて7回優勝。6位は名古屋フラーテル、2000年代に入り6回優勝。新勢力である。7位は法政大学、3回優勝。8位の東京商科大学(現一橋大学)は、戦前に3回優勝。以下9位立命館大学、10位関西大学と続く。
全体的には、大学が実業団を上回っていることが分かる。他のスポーツでは実業団が優勢の中、ホッケーはまだまだ大学ががんばっている。
⑥全日本女子
全日本女子の強豪も1931年から始まった全日本女子ホッケー選手権大会の記録から調べてみた。
1位はソニーHC,80年代のソニー一宮時代から合わせて、現在の3連覇を合わせて22回優勝。男子と異なり実業団が1位となった。2位は羽衣学園、40年代から60年代まで15回優勝。3位は
天理大学、80年代から90年代にかけて12回優勝。男子と同様に上位に入り、全日本でもホッケーの天理と言えそうだ。4位は聖徳女子短大、70年代を中心に8回優勝。5位は岐阜女子商業、60年代から70年代にかけて5回優勝。以下6位小野学園、7位成城高女が続く。8位から11位までは実業団が続く。全日本女子でも学生が実業団に互角以上の成績を上げている。
⑦世界男子
世界の強豪国は、1971年から始まったワールドカップの記録から調べてみた。
1位はパキスタン、優勝4回、準優勝2回とライ
バルインドに差をつけている。2位はオランダ、優勝・準優勝3回ずつ。3位はオーストラリア、優勝3回、準優勝2回。4位はドイツ、優勝2回。5位はインド、優勝・準優勝1回ずつ、強豪国としてはやや物足りない結果であった。以下6位スペイン、7位イングランドと続く。地域的にはアジア、ヨーロッパに片寄っている。
⑧世界女子
世界女子の強豪は、1974年から始まったワールドカップの記録から調べてみた。1位はオランダ優勝7回、準優勝4回。2位はオーストラリアとアルゼンチン、優勝2回、準優勝3回。4位は西ドイツ、優勝・準優勝共2回ずつ。5位はカナダ準優勝1回。準優勝以上をしている国は5か国だけしかない。
⑨五輪男子
五輪強豪国は、金銀銅のメダル数で調べた。その結果は左表の通りである。1位インド金メダル8個、しかし、最近は優勝していない。2位はドイツ、西ドイツ・統一ドイツを含めて金4個。3位はイギリス、金3と銀2は4位パキスタンと同じだが、銅の数が2個で1個のパキスタンを上回った。5位はオランダ、金2個。6位オーストラリア、金1、銀2。7位は金1個のアルゼンチンとニュージーランド。以下9位スペイン、10位日本などが続く。アメリカとソ連の大国は銅1個の12位である。インドとパキスタンの時代からヨーロッパ勢の時代に移りつつある。
⑩五輪女子
五輪女子の強豪国は、男子と同様に金銀銅のメダル数で調べてみた。1位はオランダ金3、銀2、銅3である。2位は銀メダルの数で差をつけられたオーストラリア、金3個。
3位はドイツ、金1、銀2。4位はイギリス金1個、銅2個。
5位はスペインとジンバブエ、金1個。7位はアルゼンチン銀銅2個ずつ。8位韓国銀2.9位はチェコ、中国、銀1個。10位はアメリカとソ連の銅1個。地域的に見ると、ヨーロッパが上位に入っている。